CO.HACHIOJI元気な企業インタビュー
第61回 NTTアフティ(株)/NTTアフティエンジニアリング(株) 平成26年より、JSWアフティ(株)に社名変更
飽くなき最先端ハイテクニッチへの挑戦!
取材先 NTTアフティ(株)/NTTアフティエンジニアリング(株)平成26年より、JSWアフティ(株)に社名変更
(代表取締役 上野五郎)
所在地 八王子市兵衛2-35-2 神奈川県横浜市金沢区福浦2-2-1 (株)日本製鋼所 横浜製作所内
電話 042‐632‐8800 045‐787‐7203
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NTTアフティ(株)/NTTアフティエンジニアリング(株)は、平成17年4月、八王子みなみ野シティに、八王子市いきいき企業支援条例による誘致第1号として立地しました。同社は、パソコンやデジタル家電の製造には不可欠なECRプラズマ成膜装置を主力製品し、優れた技術者集団が、最先端ハイテクニッチへの挑戦を続けています。 今回は、NTTアフティ(株)及びNTTアフティエンジニアリング(株)の代表取締役社長である吉利誠(よしとし まこと)社長にお話しを伺いました。 |
NTT研究所の先端技術を広く社会に活かす企業として誕生
旧電電公社電気通信研究所は、通信技術の研究所として、基礎から応用、部品からシステムまで幅広く研究し、日本の先端技術を先導してきました。その中で、生まれた様々な価値ある技術の一部を、NTTへの民営化に当たって、電話事業以外にも世の中のために広く活用するために設置されたのがNTTアフティです。NTTアフティは、NTTと新日本製鉄の共同出資により、平成元年に設立されました。さらに、平成13年10月には、NTTアフティの研究を基にした製品の製造・検査・保守等を行なう会社として、 NTTアフティエンジニアリングが、NTTアフティの100%出資の基に設立されました。
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主力製品はECRプラズマ成膜装置
NTTアフティの主力製品はECRプラズマ成膜装置です。成膜とは、微小部品の保護などのために、ナノメートル(10億分の1メートル)単位の薄い膜をつくるもので、NTTが進めていたLSIの開発・製造の中で、欠かせない技術でした。この過程で生まれたECRプラズマ成膜技術を、NTTアフティで磨き上げ、主力製品に育て上げたものです。 この成膜装置は、いまや、パソコン・デジタル家電機の製造には不可欠な装置。成膜法には、蒸着法、スパッタリング法、CVD法などが、一般的ですが、NTTアフティが採用する固体ソースECRプラズマ成膜装置は、値段はやや高いものの、下地(膜をつける基盤)の温度を上げず、ダメージを与えない形で、質のいい膜を作り出すもので、デリケートな下地に成膜するのに欠かせません。 |
優れた技術者集団が強み――最先端ハイテクニッチをねらう
NTTアフティには、全体50人弱の従業員の中で10人以上の理学博士・工学博士が在籍しています。この方たちを中心とする技術者集団がNTTアフティの強み。NTT研究所などとも連絡を密にしながら、技術の目利きをし、練りに練って実用化を進めます。ねらい目は最先端のハイテクニッチ。ハイテクの中のハイテクとでもいうべき高い技術の製品を生み出していきます。その研究開発は、ユーザーとのコラボレーションの下に進められ、NTTアフティの技術者集団の人材の厚みが遺憾なく発揮されています。
差別化できないものはやらないと、吉利社長は言い切ります。大量生産品ではなく、最高品質が求められるものへの挑戦、最先端ハイテクニッチへの挑戦がNTTアフティの真骨頂です。 |
さらなる展開を求めて八王子みなみ野シティへ
NTTアフティは三鷹市下連雀に、NTTアフティエンジニアリングは武蔵野市緑町に立地していました。施設が手狭になったこと、分かれている非効率性などから社屋の移転が検討され、適地を探していました。
この中で、都市基盤整備機構(現:都市再生機構)が開発する八王子みなみ野シティの業務用地が選ばれました。緑豊かな環境のもとに整備された美しいまちなみ。従業員の通勤の利便性はもとより、都心に近接しお客様にも、気軽に来ていただける利便性が、顧客とのコラボレーションを大切にする企業として魅力だったとのことです。 |
武蔵野市にお住まいで、現社屋に近い相武カントリークラブを昔からよく利用されたという吉利社長は、「仕事でこの道を来るとは思っていませんでした」と、笑って語っていただきました。
優れた技術力を活かして様々な製品にトライ
NTTのニーズに応じて開発した製品をさらに汎用性のあるものした様々な製品も開発しています。NTTにとって屋外線路設備等の結露防止は重要な課題。このニーズに対応する調湿材もNTTアフティのすばらしい成果です。一定の湿度に保つように、湿気を吸い、吐く、すぐれもの。産業用はもとより、かばんの中の湿気防止など、さまざまな用途が考えられます。「半永久的に持つので、買い替え需要が少ないのが悩みです」と吉利社長は笑います。この調湿材を活用して、保管しやすく、輸送しやすい土嚢はつくれないか、さらに、夢は広がります。
ニッケル水素蓄電池を搭載した次世代電源システムも、NTT環境エネルギー研究所が開発した通信用バックアップ電源を基にした製品。鉛を一切含まない、地球環境に優しい製品であるとともに、鉛蓄電池に比べ小型・軽量でより長いバックアップ時間を実現する製品で、防災などへの活用が期待されています。 |
今後の発展を見越して、余裕を持って作った新工場がフル稼働するように、さらに新しいテーマに挑戦していきたいと、吉利社長は熱く語ってくださいました。